
前回の記事では、コンプレッサーのThresholdとRatioについて学びました。
Thresholdは「この音量を超えたら圧縮する」という基準を決め、
Ratioは、「どのくらい強く圧縮するか 」を決める。
という内容でしたね。
今回は次のコントローラー、
Attack(アタック)とRelease(リリース)について学んでいきましょう。
環境・出典:WINDOWS 10、CUBASE PRO 10

Attack
まずはAttackについて確認していきましょう。 Attackは、
「基準音量を超えたらすぐに圧縮を開始するのか、少し経ってから圧縮するのか」
を決めます。設定する数値により、以下のように変化します。
Attackが速い(数値が小さい)場合

Attackが速い(数値が大きい)
大きい音が鳴ったらすぐ圧縮するので、密度の高い音になる。
Attackが遅い(数値が大きい)場合

Attackが遅い(数値が大きい)
大きい音が鳴っても少し遅れてから圧縮を開始するのでキレのある音となる。
違いの確認
同じ音源にコンプレッサーを掛けたものを、ご用意しました。
前半がAttackを速く設定したもの、後半がAttackを遅く設定したものです。
今回は極端な設定ではありますが、密度がある音とキレのある音の違いを確認いただけるかと思います。
Release
次はReleaseを確認していきましょう。Releaseは、
「音量が下がったらすぐに圧縮をやめるのか、しばらく圧縮し続けるのか」
を決めます。設定する数値により、以下のように変化します。
Releaseが速い場合

Releaseが速い(数値が小さい)
音量がThreshold以下になったら圧縮をすぐ止めるので、音が前に出て聴こえる
Releaseが遅い場合

Releaseが遅い(数値が大きい)
Threshold以下になってもしばらく圧縮をし続けるので、音が奥まって聞こえる
音の確認
同じ音源にコンプレッサーを掛けたものを用意しました。
前半がReleaseを速く設定したもの、後半がReleaseを遅く設定したものです。
リリースが速い

リリースが遅い

かなり極端な設定にはしてありますが、
Releaseが速いと圧縮をすぐ解除するので、音が前に出た印象・時には後半から音量が上がるようにも聴こえるかと思います。
それに対してReleaseが遅いと長く圧縮し続けるので、スゥーッっと音量が下がっていく印象です。